UAEとサウジアラビアが共同でデジタル通貨「Aber」の発行を発表
アラブ首長国連邦(UAE)の中央銀行(UAECB)とサウジアラビア通貨局(SAMA)は、両者が共同で開発しているデジタル通貨「Aber」を発表した。
共同声明によると、Aberの使用はしばらく、いくつかの銀行による限定的な使用範囲に留まるという。
銀行間の国境を越えた決済システムに使用されるデジタル通貨に関する両国のニュースはこれまでにも報道されているが、今回の声明は通貨の名称と使用範囲を公開した最初の報道であると思われる。
Aberの目的は国際送金の課題を解消すること
Aberの目的は、実証実験の枠組みであることを以下の通り明確にしている。
studying the dimensions of modern technologies and their feasibility through practical application and the determination of their impact on the improvement and the reduction of remittances costs and the assessment of technical risks and how to deal with them.
実用化の実現可能性や送金コスト削減へのアプローチ、それに伴う技術的リスクの調査を行う。
今回の共同声明では、Aberの試験的な発行の開始日は明確にされていないが使用範囲は述べられている。
また、技術面にも触れており、「調査の結果、技術的なリスクの懸念が存在しない場合、実用化に向けた経済的および法的な要件が検討される」と発表している。
今日の国際送金には多くの課題が存在している。
Aberプロジェクトは、デジタル通貨がこの課題を解決できるかどうかを検証することを目的としている、とした上で次のように述べている。
The project will also enable considering the possibility of using the system as an additional reserve system for [a] domestic central payments settlement system in case of their disruption for any reason.
「このプロジェクトでは、何らかの理由で既存の決済システムが停止しまった場合の予備システムとして使用する可能性も検討することができるだろう。」
Aberプロジェクトは、1月17日に開催されたサウジアラビア首長国連邦調整評議会の執行委員会の会議において交渉された、UAEとサウジアラビア王国間の7つの共同計画のうちの1つに該当すると報じられている。
世界各国がブロックチェーン技術に対して国をあげて取り組む
アラブ首長国連邦は以前より、ブロックチェーン親和国として世界中のブロックチェーン企業を誘致する姿勢を見せている。
一方のでサウジアラビアでも、IBMおよび「TradeLens」を運営するMaerskと共同で、クロスボーダー取引プラットフォーム「FASAH」を接続する取り組みを見せている。