NFTの価値とは?4つの分野に沿って解説

2021年に急速に注目を浴びることになったNFT。ブロックチェーンデータ会社のChainalysisによると、2021年のNFT取引総額が400億ドル(約4兆7100億)を超えたといいます。

今後さまざまな分野でNFTが活用されることが予測されます。本記事では4つの分野に沿ってNFTがもたらす価値について解説していきます。

NFTとは

NFTとはNon-Fungible Token(ノンファンジブルトークン)の略で、非代替性トークンのことです。非代替性とは「替えのきかない、唯一無二の」といった意味を持ちます。

デジタルデータと固有のIDをひもづけることで、データの所有者や唯一性の証明をすることが可能になります。よって、NFTとはデジタルデータの鑑定書とも言えます。

NFTは、ブロックチェーン技術を活用した複数のコンピュータによって管理されているので、データの改ざんや複製が困難です。

NFTが流行する前まではデジタルデータは容易に複製できるものであったため、デジタルデータに価値がつきませんでした。しかし、NFTによって唯一性の証明が可能となり価値がつくようになったのです。

NFTがもたらす価値について

NFTはさまざまな分野で扱われますが、コミュニティの形成や新たなビジネスモデルの確立など、投資的側面以外の面でも注目されています。ここでは以下の4つの分野に絞ってNFTの価値について取り上げます。

  • コレクティブル
  • アート
  • ゲーム
  • スポーツ

コレクティブル

NFTの分野で最も取引額が多いのがコレクティブルの分野です。そこで有名になったのがLarva Labs(ラルバラボズ)社が発行した「CryptoPunks(クリプトパンク)」です。ゾンビを基調とした24×24のピクセルアートで、10,000体それぞれ異なる顔を持ちます。

世界最古のNFTアートで限定10,000体といった希少性から、2022年2月には約27億円で取引されるものも誕生しました。

NFTは投資対象である一方で、同じNFTを持つもの同士でコミュニティが生まれ、そのコミュニティに属することが一つのステータスとなる側面を持ちます。

アート

NFTアートで有名になったのがデジタルアーティストのBeeple(ビープル)氏の作品で、2021年3月に約75億円で取引されました。驚くことにBeeple氏は世界的には有名なアーティストではなかったのです。

伝統的なアートの世界では、制作活動のみで生計を立てる者はごくわずかです。作品をオークションに出すにしても専門家や仲介者を挟む必要があります。

しかし、NFTの登場によりマーケットプレイスに誰もが作品を容易に出品することができ、世界中を相手に取引することが可能となりました。

ゲーム

NFTは「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」に代表されるようなブロックチェーンゲームとも相性が良く、ゲーム内のアイテムや土地をNFT化することができます。

プレイヤーはゲーム内の土地やアイテムを作ったり、手に入れたアイテムを他のプレイヤーに売買したり、貸し出すこともできます。「ゲームして稼ぐ」といった新たなビジネスモデルも生まれました。

スポーツ

NFTはスポーツの分野でも注目されています。有名なのがDapper Labs(ダッパーラボ)社による「NBA Top Shot(NBAトップショット)」です。NBA選手の得点シーンや技術を映像化したものを、NFTとして売買しています。

他にもスポーツチームが独自のNFTを発行・売買することで、活動資金にあてることもできます。トークン所有者にはファン限定イベントの招待や、ユニフォームを決める際の投票権を得たりすることができます。新しいファンサービスの形とも言えるでしょう。

NFTが抱える課題

急速に広まっているNFTですが、いくつかの課題も挙げられます。マーケットプレイスを通してNFTの取引を行いますが、取引件数が多くなるにつれて手数料が高くなっています。

また、マーケットプレイスのサービスが停止となった場合、NFTデータを引き出せない可能性がでてきます。マーケットプレイスから自身の管理するウォレットに適時移すことが望まれます。

さらには、NFTの取引に電力が多く使用されるため環境への問題も考えなくてはいけません。取引手数料や環境負荷の課題解決のためにも、ブロックチェーンのアップデートが待たれます。

まとめ

本記事では、NFTの特徴や4つの分野での事例を元にNFTの価値について解説してきました。NFTの登場により、容易に複製・改ざん可能だったデジタルデータに唯一性をもたらし、新たな価値が誕生したのです。

今後もさまざまなモノがNFTに置き換えられ、私たちの生活に当たり前のように浸透していくことが予測されます。