近頃ニュースなどでよく耳にする「メタバース」という言葉。Facebook社が社名を「Meta(メタ)」に変えたことでも話題となりました。
メタバースに興味はあるけど意味がよくわからないといった方も多くいるかと思います。本記事ではそういった方に向けて、具体的な活用用途もふまえながらメタバースについてわかりやすく解説していきます。
メタバースの定義
メタバースとは、「メタ(meta)超越した」と「ユニバース(universe)宇宙」を組み合わせた造語です。アメリカのSF小説作家ニール・スティーブンソン(Neal Stephenson)氏が1992年に発表した、「スノウ・クラッシュ(Snow Crash)」に登場する仮想空間が起源とされています。
メタバースはインターネット上に構築された仮想空間のことで、ユーザーは自分の分身であるアバターを通して、現実世界のように仕事や生活をすることができます。
ここからはメタバースの主な3つの用途について、具体例をふまえながら解説していきます。
メタバースの主な3つの活用用途
メタバースの用途は以下のように分類することができます。
- ゲームの世界で遊ぶ
- 国や地域、性別関係なく交流する
- ビジネスの場面で利用する
ゲームの世界で遊ぶ
メタバースが主に利用されている用途としては、「ザ・サンドボックス(The Sandbox)」や「フォートナイト(FORTNITE)」に代表されるゲームの世界です。これまではゲーム会社が提供した作品の中で、遊ぶことがほとんどでした。
しかし、メタバースでは利用者自らがゲームの中のアイテムや、建物を作ったりすることができます。また、作ったアイテムや建物を売ることによって、お金を稼ぐことも可能です。一部の国では、ゲームで生計を立てる人まで現れています。
国や地域、性別関係なく交流する
メタバースの世界は、インターネット環境さえ揃っていれば、国や年齢、性別関係なく誰でもアクセスすることができます。仮想空間の中で会話をしたり、映画を一緒に観たりすることもできます。
また、前述の「フォートナイト(FORTNITE)」内で開催された、ラッパーのトラヴィス・スコット(Travis Scott)氏のライブイベントでは、累計2,700万人が参加する盛り上がりを見せました。
ビジネスの場面で利用する
Meta社やMicrosoft社のサービスにもあるように、メタバースはビジネスの会議の場面でも利用されています。メタバース上の会議では、ZOOMなどのTV会議に比べてコミュニケーションが円滑になります。参加者の目線や仕草、身振り手振りなどが相手に伝わりやすいからです。現実の会議と変わらない感覚を得ることができます。
会議以外にも、ファッションブランドのGUCCIやNIKEが、メタバース上に土地や店舗を持ち、新たなビジネス展開に向けて取り組んでいます。取得した店舗で広告を出すことや商品を並べることもでき、新たな顧客体験を生んでいます。
以上のように、メタバースの用途や特徴について説明してきましたが、最後に抱えている課題についても取り上げておきましょう。
メタバースが抱える課題
メタバースで没入感を味わうためには、頭部にヘッドセット(ゴーグルのようなもの)や、身体にセンサーを取り付ける必要があります。利用者からすると、わずらわしさを感じることでしょう。ただ、技術の進展とともに、器具も軽量化が進んでいます。
次に、アバターの身体に触れるといった、セクシャルハラスメントの問題があります。対策としては、アバターに触れられないようにパーソナルスペースを設定できる取り組みが進められています。
他にも、メタバースの分野が新興市場であることから、法整備が進んでいない部分があります。暗号資産との結びつきが強いため、投機的な詐欺案件も多く、騙されないよう注意が必要です。
まとめ
本記事ではメタバースの定義や、用途、課題について説明してきました。メタバースの発展により、新しいビジネスや体験の創出につながることが証明されています。そのことからも、様々な企業がメタバースの分野に参入しています。
今後は技術の進展とともに、利便性が上がることで利用者も増え、メタバースにアクセスすることが当たり前になるのが予測されます。
メタバースが持つ危険性については理解しながらも、今後もますます発展していく過程を注視していく必要があるでしょう。