ブロックチェーンの活用をわかりやすく紹介 – 教育、医療、カードゲーム

あらゆる産業分野における次世代のプラットフォームになる可能性をもつ」といわれるブロックチェーンはどんな分野に活用されているのでしょうか?

サトシ・ナカモトと名乗る謎の人物による論文(サトシペーパー)の発表から、ビットコイン(BTC)、暗号資産(旧呼称:仮想通貨)の言葉と共に、世界中に広く知られることになったブロックチェーン、2008年10月31日(日本は11月1日)のはじまりからの現在まで、そのユースケースを紹介していきます。

ブロックチェーンとビットコインの関係

論文のタイトルの通り、ビットコインは「ピア・トゥ・ピアの電子マネーシステム」金融機関のような第三者への信頼を必要としない電子通貨の仕組みとして登場しました。

ブロックチェーンは、このビットコインの「すべての取引を記録するために開発された台帳技術」です。

そこには、「だれが、いつ、どんな情報を台帳に書き込んだのか」の取引履歴のデータがブロックとして記録されており、その全てが鎖のようにつながり保管されています。これは複数の当事者の間で共有することができます。この技術は分散台帳技術(DLT)と呼ばれています。

世界中にある約1万3千といわれる全ノードに同一のデータが保有されることで、不正にデータを書き換えられることを防止しています。

ビットコインから生まれたはずのブロックチェーンですが、金融の活用はいち事例に過ぎません。

ブロックチェーンの特徴は決済・送金向きじゃない?

一般的にブロックチェーンは、決済・送金のための技術と誤解されがちですが、複数のノードで同一のデータをもつ特徴から、実は即時性のある決済データの記録には不向きといわれています。

経済産業省「ブロックチェーン技術を利用したサービスに関する国内外動向調査」の中で、期待されるユースケースに「土地の登記が有望である」との記載があります。これは、改ざんされては困るデータの記録が、ブロックチェーンに向いていることが理由です。

他のユースケースには、地域通貨、サプライチェーン、シェアリング・エコノミー、スマートコントラクトがあげられています。

この「ブロックチェーン関連市場」と呼ばれるブロックチェーンと既存ビジネスをかけ合わせた市場は、世界だけでなく日本国内でも広がりをみせつづけています。2022年度の国内ブロックチェーン活用サービス市場規模(事業者売上高ベース)は、1235億9000万円(矢野経済研究所 調べ)と予測されています。※まったくブロックチェーンが関与していないプロジェクトも存在するため、どこまで関連性をもったサービスであるかは、注意が必要です。

非金融におけるブロックチェーンの活用事例

カードゲーム ×️ ブロックチェーン

「君のカードが資産になる」次世代カードゲーム「Crypto Spells」では、カードの発行枚数、所有者、取引履歴はブロックチェーン上に記録され、「世界に何枚あるカードか」証明されます。

このカードゲームで活用されているのが、非代替性トークン(Non-Fangible Token:NFT)と呼ばれる技術です。偽造不可な鑑定書と所有証明書付きのデジタルデータをもつカードを、ブロックチェーンにより実現をしています。※なお暗号資産(仮想通貨:Fungible Token、FT)とは異なります。

教育 ×️ ブロックチェーン

「学習するほどトークンがもらえる。」全く新しい学習スタイルを提供する「PoL」では、ユーザーの学習の記録をブロックチェーン上に記録することで、学習量による知識の証明(Proof of Learning)をデジタル化(トークン化)しています。

トークン(Token)とは、発行者や管理者が存在する、既存のブロックチェーン上につくられた独自の暗号資産のことです。PoLでは、学習の量に対しての評価を実現しています。

地域振興券のように、その中で、商品との交換ができます。

医療 ×️ ブロックチェーン

医療現場でもブロックチェーン活用が進んでいます。例えばIOSTというブロックチェーン技術により、改ざんされない状態で医療・健康記録を保存でき、医療記録の相互運用時も正確な情報の利用が可能になります。

個人の医療健康データ(Personal Health Record: PHR)を秘匿化健康情報として耐改ざんと耐障害性を実現することが可能です。

ブロックチェーンを活用するためのポイント

非金融の3事例が示す通り、「ブロックチェーンに何を記録するのか?」そのための基盤技術としてブロックチェーンは使われていることがポイントです。ビットコインも流通の取引を記録するために使われています。

そもそもブロックチェーンに定義はなく、社会のさまざまな分野への応用が試されつづけている技術です。その結果、カードの希少性や学習量の証明、医療記録の保証、今まで存在しなかった経済的な価値が、ブロックチェーンによりインターネットを介して表現されています。

ブロックチェーンが、経済的価値のインターネットと呼ばれる理由のひとつです。

ブロックチェーンを活用するためのWhy

「ブロックチェーンの特徴は金融向きじゃない?」の部分で、実は即時性のある決済データの記録には不向きと紹介しました。ブロックチェーンのネットワークは無数のノード同士がピア・トゥ・ピアでつながる特徴から、常にリアルタイムにデータが一致しないという課題があります。

またブロックチェーンの種類も、パブリックや、プライベート、コンソーシアムとさまざまです。

例えば、パブリックブロックチェーンでは台帳に記録した時点で、参加する全ノードに情報は公開されてしまいます。従って、閲覧されて困るデータを記録することには向いていません。

IOSTの医療×ブロックチェーンの事例のように、扱うデータに対して、法的(個人情報保護法)な観点の検討を含めどのブロックチェーンを選択するかも重要になります。

Why Blockchain(ワイ・ブロ)と呼ばれる通り、ブロックチェーンの特徴を理解した上で、ユースケース毎に「ブロックチェーンに何を記録するのか?」「このプロジェクトにブロックチェーンは必要か?」を考えることが、活用するために重要です。

ブロックチェーン、ビットコインをはじめとする暗号資産(仮想通貨)の技術革新と、その進展に対応するための法整備だけでなく、既存の制度がもつ課題を分析した上で、使わなくてはいけません。

まとめ

今回の記事では、ブロックチェーンの活用事例を紹介しました。改めて、ブロックチェーンの特徴は次の通りです。

  • ビットコインのすべての取り引きを記録するために開発された台帳技術
  • 実はブロックチェーンの特徴は決済・送金向きではない
  • ブロックチェーンの定義はなく、「何を記録するのか?」さまざまに応用が試されつづけている
  • ブロックチェーンの特徴を理解した上でユースケース毎に活用することが重要

取り上げたユースケースの中でも、NFT(Non-Fangible Token)は、ゲーム・アートを中心に盛り上がりを見せています。定義がない技術だからこそ、紹介した事例からきっかけを得て、あなたの手でブロックチェーンの新たな価値つくりをはじめてみてはいかがでしょうか?

 

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