ミカンの出荷をブロックチェーンで管理−IBMが実証実験を完了

IBM Orange

IBMは2019年2月5日、中国からシンガポールへ向けたミカンの出荷を追跡するためのブロックチェーンを活用した実証実験を完了した。

28トンものミカンがブロックチェーンで管理される

中国の旧正月にあたる2月5日、28トンのミカンとおよそ108,000個に及ぶ果物3000カートンが届けられた。
(ミカンは繁栄の象徴であるとIBMは表現している)

今回の出荷に関する書類はブロックチェーンに記録されている。
この書類は、商品の所有権や受け取り確認、出荷契約を証明するために用いられ、出荷に関与する全ての関係者に送付されることになっている。

IBMは、この書類を電子化した電子船荷証券(e-BL)を作成した。
e-BLによって、文書流通が自動化され、管理プロセスがわずか1秒にまで劇的に短縮されたという。

ブロックチェーンによって出荷プロセスが大幅に簡素化される

果物の輸入業を展開するHupco社の会長兼CEOのTay Khiam Back氏は、プレスリリースで次のように述べている。

By using the e-BL, we have seen how the entire shipment process can be simplified and made more transparent with considerable cost savings

e-BLを使用することで、大幅にコストを削減しつつ、出荷プロセス全体を簡素化し、より透明性を高める方法を実現した

今回の実証実験では、ブロックチェーンを元に開発された電子システムが、貨物コンテナで使用される電気費用をはじめとする、あらゆる運用コストを削減できることが明らかになっている。

また、全体に40%の割合で発生していた文書改ざんによる不正も防止でき、海運業界のトレーサビリティ向上にも貢献できる見込みが立っている。

Pacific International Linesの事務局長を務めるLisa Teo氏は、「ブロックチェーンがどのように社会を変革し、海運業界の効率性と革新性の向上にどれほどのインパクトを与えてくれるのか、その可能性に関心がある」と述べている。

2019年2月初旬、IBMはブロックチェーンを活用したサプライチェーンの実証実験も発表している。
これは、コンゴ民主共和国で採掘されたコバルトが、中国の製油所と韓国のバッテリー工場を経て、アメリカのFord Motors社の工場に配送されるまでのプロセスを管理するためのものである。