デロイト(Deloitte)は、ブロックチェーンを活用してサプライチェーン管理の効率化と透明性の向上を目指す

大手監査法人のDeloitteは、グローバル環境におけるサプライチェーン管理の効率化と透明性の向上を実現するために、ブロックチェーンを活用した実証実験を行なっていた。
その実験が先日、完了したことを発表している。

ブロックチェーンを活用した文書管理のトレーサビリティ向上を実現

Deloitteのリリース文によると、複数のブロックチェーンを接続し、相互運用を可能にするためのプラットフォーム開発を目指すという。

このコネクテッドプラットフォームは、異なる企業で作成される文書の共有プロセスをデジタル化し、またデジタル化された文書のトレーサビリティを向上させることを目的としている。

今回の実証実験では、既存企業で一般的に使用されているクラウドネットワークとブロックチェーンを接続することを検証していた。

Deloitte Asia Pacific Blockchain LabのPaul Sin氏は、次のように述べている。

A healthy logistics ecosystem is paramount in global trade, but complicated documentation has been a structural problem. Document digitization is not just the first step, but also a groundbreaking step in the transformation of the logistics industry. In addition to facilitating document coordination, DLT speeds up approvals, provides updated and secure data for informed decisions and offers a source of truth for all participants, especially banks, insurance companies and other financial institutions. We therefore expect even greater benefits from DLT applications for shippers, forwarders, carriers and other players at large in the future.

物流領域における健全なエコシステムを構築することは、世界中の貿易事業において最優先なテーマである。しかしながら、複数の企業間における複雑な文書管理が大きな問題となっている。ブロックチェーンは、文書管理を容易にするだけでなく、取引の承認を迅速化し、最新のデータを安全な状態で提供することができる。また、全ての利害関係者、特に銀行や保険会社、その他の金融機関に対して、正しい情報を提供することができるようにもなるだろう。

海運業界で進むブロックチェーンの実用化

ブロックチェーンが海運業界に適用されたケースは今回が初めてではないが、相互運用性を意識した取り組みは評価できるポイントだといえる。

2018年8月に、IBMがMaerskと提携し、出荷データをリアルタイムで追跡するTradeLensというブロックチェーンを活用したプラットフォームを発表している。
その他にも、11月にはCargoX社がブロックチェーンを活用し、海運業界への事業展開を積極的に推進しているとの計画を発表した。